2019年10月15日
ようやく、スタートライン
30代、40代の半ばごろまで
とにかく仕事が第一優先であり
健康ですごせていることにかまけて
身体にはまったく意識を向けてこなかった。
そのツケがいろんな形で出てきた・・・と
反省したのが6、7年前のこと。
なんだかんだで、とあるスタジオでの
トレーニングを、足掛け5年以上、
ずっと続けてきた。
インナーマッスルや体幹を鍛えるという
独自のメソッド、実はこれが本当に難しい。
最初の出会いはDVDをいただいて
半年ほど自宅でやっていた。
しかし、実際にスタジオで
パーソナルトレーニングを受けてみると
自分の身体の使い方が、
ほとんど間違っていたということに
かなりのショックを受けたのだった。
スタジオは東京にあるので、
月に1度、数回のレッスンしか
受けられないのだが、
仕事の合間を縫って通ってきた。
ところが。この8月、9月、
あまりの忙しさのせいか、
ここ数年で学んできたはずのことが
すっかりリセットされてしまっていた。
先生も、サポートのトレーナーさんからも
あきれられるくらいに、
これまで習ってきたことが
まったく、できなくなっていた。
そんな状態だったから
この年になって、
ここまで怒られるのかってくらい、
相当、私は絞られたのだった。
それなりに時間を費やして
忙しい間を縫って通ってきたというのに
このありさまか・・・。
もういっそのこと、レッスンに通うのを
辞めてしまおうかとさえ、
思ったほどだった。
ただ、仕事柄、叱る方の側にも、
それなりにエネルギーがいることは
熟知しているつもりである。
明るく楽しいレッスンで終わらせたら
どちらにとっても
表面的にはいいかもしれない。
だけど「真理」を伝えようとする人は
「真剣に」「真実」を伝えようとする。
時として語気が荒くなることもある。
そこで指摘されたいくつかの間違いは、
私にとっての、大きな弱点ばかりだった。
今までなんとなく、
「分かっていたつもり」だったことが、
自分にとって「全くできていないこと」
なのだということを
はっきりと認識できたのだ。
「知っている」
「わかっている」ことと、
「できる」ことには
とてつもなく大きな差があるのだ。
「赤ちゃんの頃の身体の動かし方が
一番、理にかなっているんです。
その元来の身体の使い方が
一番、負担がかからなくて
一番、心地よい身体になるんです。
私はそれを伝えています。」
・・・という先生の極意に近づきたくて
ずっとレッスンを続けてきた。
アウターの筋肉をガシガシ鍛えればいい、という
世間一般の常識とはかけ離れた方法で、
各界の一流のアスリートでさえ
このメソッドは難しいと言うそうだ。
試合中の事故で大けがを負い、
再起不能とまで言われたある選手が
先生の指導によって競技に返り咲いた。
「外側からはとてもラクそうに見えるけど、
こんなにインナーマッスルを使って
内側を絞り込んで使う方法は他にない。
このメソッドは最強です」
と言ったそうだ。
そんな奥深い世界、
見てみたい、感じてみたいじゃないかっ。
教わったことがどうしてもできなくて、
男泣きした人もいたらしい。
「泣いたって、身体は変わんないよ」と
先生は言ってのけたそうである。
やっぱり好きだなぁ、そういうところが。
・・・と思ってしまう私は、
もはや「ドS」である。
何年も通っている間に、
アタマではわかっているつもりだった。
でもだがしかし。
これまでの人生で身体にしみついた
中学時代のバレーボール部のクセや
OL時代に通っていたエアロビクスや
ヨガで習ったこととか、
ジムでトレーナーさんに習った
筋トレのやり方とか、
そういうもろもろの履歴が
全て、邪魔になっていたのだった。
先生のメソッドからすると
全部、邪魔でいらない無用なクセだった。
・・・のだということに、
はっきりと気付かされたのであった。
もーもーもー、ほんまにねぇ、
5年以上通って、やっとですよ(@o@)
コテンパンに叱咤されてから
一か月ぶりに受けたレッスンでは
これまで言われてきたことが
ようやく頭の中でつながって、
それを身体で再現することが
わずかながら、できるようになっていた。
できなかったことの理由と
注意されることの意味が
以前とは違う次元で理解できた。
他の人が注意されていることも
自分の経験に置き換えられて、
「そうそう、それってものすごーく、
わかりにくいんだよねぇ・・・」と
客観視することができた。
そうするとおもしろいもので、
先生がこちらを見ながら、
「あれ、今日はいつもの難儀なクセが出てないね。
伝えてきたことが、できるようになってるね。
そうそう、それでいいの。」
・・・と、褒められたっていうのは
たぶん、数年ぶりのことだ(笑)
どん底を味わうからこそ開眼する、
ということは実際にあると思う。
5年以上かかって、
原点回帰のスタートラインに
ようやく立てたような状態だけれど。
真理に、原点に回帰するためには、
改めて継続は力なり、なのだと思った。
積み重ねてきたからこそ、
理解できることがある。
見えてくる世界がある。
心も、身体も、実は同じだ。