2013年3月12日
『無題』
昨日は、誰もが忘れえぬ一日でした。
あの時を境に、日本人の誰もが、大きく意識を変容させた一日でした。
それまで 当たり前であったこと。
いつもどおり 続いていたこと。
何気なしに そこにあったもの。
そのどれもが、一瞬のうちに崩壊してしまうことが 起こってしまう。
阪神大震災の時に、そのことを痛感していたはずであったのに。
2年前の3月11日、出張先の富山で 東日本大震災の報を聞きながら
驚愕と 無力感に さいなまれていた一人でした。
歴史を振り返れば、日本は、自然災害といつも隣り合わせの国でした。
台風、水害、地震、火山の噴火、津波・・・。
抗えない大きな力と、いつも隣り合わせで生きていました。
そういう目に見えないものと共存して生きることが
日本人の知恵として 受け継がれてきたのだと思います。
海、という天然の牙城に守られて、外敵から攻められることが少なかった日本。
陸続きの国はいつも国境でのせめぎ合いがあります。
仏教や美術、文化が海外からもたらされ
それが外へ流出することが少なく 独特の発酵をして 進化した日本。
なにごとも メリットとデメリットがあると思います。
敗戦後、西欧の文化が主流になり、日本の文化が後退したように思えますが
ここへ来て、失われかけた日本の叡智が見直されつつあるのを
最近 感じています。
どうすれば日本を再生できるのだろうか?という問いかけに
「日本人が本来の日本人に 戻ればいいと思う」という答えを
ある若者の口から聞きました。
なるほどなぁ・・・と 改めて若者の感性に脱帽しました。
2011年3月11日から まる2年がたち、
一人一人が、「今の自分に何ができるか」を
苦しいくらい自分に問うた、あの日の思いを忘れないこと。
少なくとも、その思いを刻み続けることが
あの日失われた尊い御魂への ご供養になれば、と思います。
そして東北の皆さまが お元気になられ
一日も早く 復興が進みますように。
一日遅くなりましたが、心からお祈りします。