2011年8月29日
祈りの聖地、高野山
やっと、というか、ようやく、というか
高野山ツアーの日がやってきました。
8月、最終の土日。
旅行というのは、計画している間のわくわく感を味わっている間が
一番、楽しいのかもしれません。
初の1泊2日ツアーで、恐る恐る募集をかけたのですが、
ホームページでのご案内の前に、すでに満席(汗)
空海さま、宿坊での体験、などいろんなキーワードがあったと
思うのですが、遠くは長野、横浜、広島、岡山など
集まった皆さまは、総勢20名。
2歳から50代まで、まさにバラエティに富んだお顔ぶれに
なりました・・・。
高野山は8つの峰に囲まれた、境内なのだそうです。
その中に、お寺もお墓も、お店も、銀行も、郵便局もある。
1200年も前から、この山間の町で、人々は生きてきたのです。
奥の院、根本大塔に、金剛峯寺といった王道コースの
拝観はもちろんですが、宿坊でのお泊まりは、なかなか
思い出深いものになりました。
夕方早くに入浴して、さっぱりとした後は
精進料理の夕ご飯。これがまた、味わい深く、とても
よかったです。
通常の旅館ならば、お肉にお魚にとバラエティに富んだ
メニューが並ぶのですが、言うまでもなく野菜中心のお料理や
名物のごま豆腐など、からだにやさしい、という感じがしました。
空海さまは肉食を禁じられたのだそうです。
思うに、瞑想や修行をするときに、こういうさらりとした
食事の方が、体験が深くなるような気がします。
夕食後は、「阿字観」と呼ばれる密教独特の瞑想や呼吸法。
翌朝も、早朝6時30分からのお勤め。
まさに真言密教、という空間を体験しました。
毎朝毎夜、こうして、御仏やご先祖、衆生に対しての
祈りを欠かさない聖地での生活を、営んで下さっている方々が
集う町が、この高野山なのだと思いました。
金剛峯寺の大広間で、ちょうど、お坊さんの法話を
聴くことができました。
「この金剛峯寺にも、年間20万人の方が訪れます。
ここへ来ないで、奥の院へ直接行かれる方もあるでしょうから
年間100万人くらいにはなるかもしれません。
高野山へ来たなら、ぜひともなさっていただきたいことがあります。
写真を撮るのも、美味しい料理を召し上がるのも、いいでしょう。
でも、ここは『祈り』の空間です。
ぜひ一番になさっていただきたいことは『祈り』です。
ここは本気で祈る場所です、中途半端な思いなら止めたほうがいい。
夜の奥の院に行ってみると、全国各地から、真剣に、
真剣に弘法大師におすがりして祈り続けておられる方が
大勢おられます。
なぜ、どのような悩みがあって、この地においでになったのか、
たずねることはいたしません。
けれどもみな、必死で祈っておられます。
弘法大師は、悩みを持つ一切の人々を救うためにご入定されたのです。
その本気さ、真剣さに救われたくて、1200年、1200年ですよ、
それだけの時間を経ても、おすがりされる方が全国から訪れるのです。
何がそれだけの方々を、これだけ引き付けるのでしょうか。
それは弘法大師の思いがそれだけ強いということの証でしょう。
目に見えるものよりも、見えないものが一番大事なのです。
そこへつながるのが、『祈り』なのです。
ここ高野山は祈りの聖地なのです。」
東日本大震災で国難ともいえる事態に陥った今年。
なぜ、人々は高野山にひかれるのか。
また、なぜ私たちも高野山にひかれたのか。
少し、分かったような気がしました。
宿坊も高野山全体に52か所あるそうです。
昔は、それこそ足で登る高野山も今は大阪から
2時間足らずで手軽に行くことができます。
すぐそこにある、身近な、だけど深遠な聖地。
また、改めて訪れてみたい場所だと、思いました。
旅の終わり、参加された皆さんのはじけるような笑顔。
この笑顔に出会いたくて、「光を観る旅」を
続けている私です(^^)